研究室概要

抗生物質(抗生剤)や抗ガン剤などの生理活性物質は、私たちの健康を維持する重要な化合物です。また、抗生物質の一部は、農薬利用されており、社会環境の構築に貢献しています。しかし、近年、問題となっている既存の抗生物質が効果を示さない多剤耐性菌の出現や新型ウィルスの発生などに対応するためにも、生理活性物質の持続的な開発が求められています。

天然に由来する生理活性物質のおおよそ半分は、微生物に由来しています。微生物が生産する生理活性物質として、青カビが生産する結核治療薬ペニシリンや「ペニシリンが効かない結核菌」に効果を示すストレプトマイシン(放線菌由来)が有名です。また、放線菌が生産する抗寄生虫薬エバーメクチンは、大村博士のノーベル生理学・医学賞受賞に繋がりました。このように、放線菌やカビ(糸状菌)は医農薬品開発において重要であり、その物質生産能力は持続的な社会形成の観点からも魅力的なものとなっています。

私たちの研究室では、応用微生物学を軸に、天然物化学や遺伝子工学などを融合させることにより、放線菌の卓越した物質生産能力を開拓し、医農薬シーズを創出することを目指しています。また、異種放線菌同士または放線菌と他の生物との相互作用を解析し、自然界における放線菌の役割を解明することを試みています。研究室に所属する学生には、放線菌に関する様々な研究を通して、生物学と化学の両視点を併せ持ち、社会で活躍できる人材に成長してくれることを願っています。

お知らせ

青山学院大学 理工学部 化学・生命科学科

微生物化学研究室

〒252-5258 神奈川県相模原市中央区淵野辺5-10-1

Laboratory of Chemical Microbiology

Depertment of Chemistry and Biological Science
College of Science and Engineering
Aoyama Gakuin University

5-10-1 Fuchinobe, Sagamihara, Kanagawa 252-5258, JAPAN

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